<感染症の流行状況>
当院は全国感染症動向調査に協力しております。流行状況はこの調査を基にまとめております。
2024年24週(6/10~16)
・ インフルエンザは県北、いわきで散発しています。(当院では1か月0人。)
・ 新型コロナウイ感染症は県内では減少傾向です。(当院では1人。)
・ RSウイルス感染症は県北、郡山市、県中、会津、相双で流行。県南、いわき市で小流行。(当院では25週になって増加してきました。)
・ 咽頭結膜熱は福島市、県北、郡山市、県中、県南、相双で流行、会津で小流行が見られます。(当院では 増加傾向です。)
・ A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は福島市、県北、県南、会津、相双、いわき市で流行、郡山市、県中で小流行が見られます。 (減少していますが、当院では15人)
・ 感染性胃腸炎は、郡山市、県南、相双で小流行が見られます。(当院では17人)
・ 手足口病は県中、相双で流行が見られます。(当院では3人)
・ 流行性角結膜炎は、県南で流行が見られます。
・ 結核(3名)は、県南(1名;90歳代:男性)、会津(1名;80歳代:男性)、相双(1名;20歳代:女性)の各保健所管内の医療機関から報告がありました。
*新型コロナウイルス感染症(COVID19)について
福島県は減少していますが、全国的には徐々に、増加しておりますので、注意が必要です。引き続き、感染予防を心がけましょう。高齢者や基礎疾患のある方が感染すれば重症化リスクも高まります。感染が判明した場合、学校出席停止は発症から5日間、かつ、症状が軽快してから1日経過するまでとなっておりますが、10日間はうつる可能性が残りますのでマスクをして行動し、高齢者や基礎疾患のある方との接触を避けてください。なお、濃厚接触者はなくなりましたが、無症状で他人にうつす場合がありますので、同様に10日間はマスクをして注意した行動をとってください。
*A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)感染症について
溶連菌による上気道感染症です。咽頭痛、発熱、首のリンパ節腫脹、体の細かい発疹(出ない場合も多い)、イチゴ舌などの症状が出ます。吐き気や腹痛を伴うこともあります。抗生物質が良く効きますが、再発が多いので、決められた日数を最後まで、しっかりと飲み切りましょう。稀ですが、3歳以上では、2週間から1か月後にリウマチ熱(発熱と関節炎)や腎炎(むくみや血尿)の合併症を起こすことがありますので、注意しましょう。家族内感染も多く見られます。出席停止は抗生剤服用後2日たつまでです。
◆劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の報告数が増加しています
我が国の本年のSTSSの報告数は、6月18日公表の速報値で1019人となり、1999年に統計を取り始めて以降最多であった昨年の報告数(941人)を既に上回っています。STSSの原因となる溶血性レンサ球菌には、多くの種類があり、一般的には急性咽頭炎などを引き起こす細菌として知られていますが、非常にまれに敗血症を伴う重症感染症を引き起こすことがあります。そのメカニズムはまだ解明されていません。STSSの患者数が増加している理由は必ずしも明らかではありませんが、2023年の夏以降、A群溶血性レンサ球菌による急性咽頭炎の患者数が増加していることが要因の一つである可能性があると考えられています。(STSSの原因となる菌種としては、A群、B群、C群、G群レンサ球菌が主なものとして知られています)。
STSSに限らず、多くの感染症の予防には、手指衛生や咳エチケット、傷口の清潔な処置といった、基本的な感染防止対策が有効です。
○劇症型溶血性レンサ球菌感染症の主な症状
最初は、腕や足の痛みや腫れ、発熱、血圧の低下などから始まることが多く、その後、組織が壊死したり、呼吸状態の悪化・肝不全・腎不全などの多臓器不全を来たし、場合によっては数時間で、非常に急速に全身状態が悪化します。
○STSSに関する情報
厚生労働省や国立感染症研究所のホームページ等で、STSSの情報について公表しています。
国立国際医療研究センターより、新たに「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の診療指針」が公表されました。
・国立国際医療研究センター 国際感染症センター
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の診療指針
https://dcc-irs.ncgm.go.jp/material/manual/stss.html
・厚生労働省
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137555_00003.html
・国立感染症研究所
国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/2656-cepr/12594-stss-2023-2024.html
「A群溶結レンサ球菌検査マニュアル(劇症型溶血性レンサ球菌感染症起因株を含む)」
https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/streptococcusA20240112.pdf
※風疹について
2024年は、第23週(6月3日~6月9日)までに3例が報告されています。
<風疹 発生動向調査> 2024年第23週(’24/6/12現在)
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2024pdf/rube24-23.pdf
妊娠中の女性がかかると、「先天性風しん症候群」の赤ちゃんが生まれる可能性があります。風疹はワクチンを2回接種すればほぼ、防げます。
現在、国では成人の風しん対策を行っています(第5期風しん予防接種)。2025年3月31日までの3年間に限り、風しん抗体検査・予防接種を公費で受けられます。
※麻疹について
麻疹もワクチンを2回接種すれば、ほぼ防げる病気です。麻疹は乳幼児では死亡率が高い病気です。子どもは1歳と年長さん(小学校入学前)で2回受けましょう。国の成人風しん対策(第5期風しん予防接種)では「麻しん・風しん混合ワクチン」が使用されています。
感染症の詳細は、「感染症情報」のページをご参照ください。
※麻疹・風疹・新型コロナウイルス感染症の疑いのある方は必ず、「事前にお電話」をお願いします。
※院内ではかぜ症状のある方(発熱、せきなど)も含めてすべての方に「マスクの着用」をお願いしています。
なお、マスクのない方、着用できない方は受付けにお申し出ください。
(別室またはお車でお待ちいただくか、院内用のマスクをつけていただきます。マスクの購入も可能です。)
※当院では予防接種、健診を「専用の待合室と診察室」で行い、「午後2~3時は予防接種、健診のみの時間帯」としています。
感染症の流行の時期でも安心してご来院いただけます。
また、赤ちゃんの湿疹など、感染症の症状がない方も受付でお申し出いただければ、「予防接種専用の待合室」にご案内いたします。
2021年8月30日